蒼幻の天使~A Solitary Flower
ふいに頭をかすめた不思議な感情のワケを心に問い詰める間もなく、私は頬を伝う熱いモノにハッとする。

「な…んで?」

頬を伝うソレに触れようとした瞬間。

パァーン!!

粒子となって降っていた破片と蒼の光が一つになって蒼の閃光を放ち、

激しい光の雨に思わず両目をつぶった。

それは一瞬だったろうか。

ポタリ、と頬からソレが落ちたのと同時に私はそっと目を開けた。

目の前には、光を失った「黒」の瞳で佇む男。

見渡すと、そこにあったはずのミラーハウスは跡形もなく消えていた。

蒼の光の粒子も。

ミラーの破片一つさへも残さず。

ちょうどこの場所は木が周りを囲むように茂り、人がごった返す園内からは死角になっているひっそりとした空間だった。

少し離れた場所には、ゆっくりと回る観覧車が見える。

「破片が一つもないなんて…?」




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