幼馴染みに奪われました




人混みを振り分けて、来た所が、駅から少し離れた公園。




ザアー………





公園に着いたと同時に、空が鳴った。




天気も崩れてきた。




あれ、今日は晴れだったんだけどな…。





と思っていた瞬間、





ポロッ…





「…っぅ……」





あたしの目から生温い何かが一滴零れ落ちたと思った瞬間、ポロポロと止まらず溢れてきた。






ギュッ…






「我慢…すんなよ。泣きたい時は泣け」





って優しい言葉をかけてくる翔。





「…ッ……ふっ…」






止めどなく溢れてくる。





あたしが涙を流す度に、抱き締めてくれている翔は、頭を撫でてくる。




“大丈夫”




まるでそういっているように……。




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