今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。



「みゅーって何?」



すると、女の子が代わりに聞いてくれた。



「この子のあだ名」

「は?」

「だってミユウって言いにくくね?だから"みゅー"」

「あぁ、そういうことか」



心優って呼びにくいから"みゅー"か。



初めて言われたけど……不思議と悪い気はしなかった。



むしろ、あだ名をつけられて嬉しい。



……って、喜んでる場合じゃない!



こんなヤンキーと知り合いなんかになったら、絶対にあの人たちに怒られる。



「やべ、もうこんな時間かよ。じゃあまた今度ね、みゅーちゃん。あ、沙良(さら)も」

「あ、って、私はついでかよ。つーか2度と来んな!」

「それは無理。みゅーちゃんに会いたいし」



私の諸事情を知るわけがない光聖……通称、金髪のヤンキーは、嵐のように教室を去っていった。



何だ、同じクラスではなかったんだ。



一安心したのも束の間、光聖って人にクラスまでバレてしまったという事実に、再び肩を落とした。


< 10 / 385 >

この作品をシェア

pagetop