今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「みゅーって何?」
すると、女の子が代わりに聞いてくれた。
「この子のあだ名」
「は?」
「だってミユウって言いにくくね?だから"みゅー"」
「あぁ、そういうことか」
心優って呼びにくいから"みゅー"か。
初めて言われたけど……不思議と悪い気はしなかった。
むしろ、あだ名をつけられて嬉しい。
……って、喜んでる場合じゃない!
こんなヤンキーと知り合いなんかになったら、絶対にあの人たちに怒られる。
「やべ、もうこんな時間かよ。じゃあまた今度ね、みゅーちゃん。あ、沙良(さら)も」
「あ、って、私はついでかよ。つーか2度と来んな!」
「それは無理。みゅーちゃんに会いたいし」
私の諸事情を知るわけがない光聖……通称、金髪のヤンキーは、嵐のように教室を去っていった。
何だ、同じクラスではなかったんだ。
一安心したのも束の間、光聖って人にクラスまでバレてしまったという事実に、再び肩を落とした。