今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「ごめんね?あいつうるさいよね」
「今の人って……」
「光聖って言って1個上。ああ見えて、3年生なの」
「……先輩だったんだ」
「全然先輩に見えないよねぇ」
確かに同い年って言われれば同い年に見えなくもなかったけど……って、もうこれ以上あの光聖って人と関わることはないんだから、その人のことを聞いてもしょうがない。
「あの……名前、教えてほしいなって」
勇気を振り絞って出た、私の蚊の鳴くような小さな声に対して、女の子は、太陽みたいに明るい笑顔で「沙良!」答えた。
「私ね、転校生来るって聞いて、すごい嬉しくて」
「うん」
「昨日超ドキドキしちゃって寝れないかもとか思ってたんだけど、そこは案外ぐっすり寝れちゃった」
寝れなかったって言うのかと思ったら、寝れちゃったって沙良ちゃんが言うもんだから、思わず笑ってしまった。
沙良は目が大きくてお人形のように可愛い顔立ち。
きれいに巻かれたセミロングの髪は、太陽の光に当たると金色に見えるほど鮮やかで明るい茶色をしている。
濃いめのメイクが似合っていて、私にできたはじめての"ギャル"の友達。