今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
光聖くんのあまりの迫力に圧倒されたのか、そのあと、お客さんは逃げるようにして車に乗り込み、その場から去っていった。
「大丈夫か?もうちょいここで休憩する?」
「大丈夫、大丈夫!ちょっと触られて車に乗せられただけだし」
そう言って立ち上がってみたものの……脚に力が入らなくて、その場で倒れそうになった。
光聖くんが体を支えてくれたおかげで、沙良ちゃんはなんとか倒れずに済んだ。
沙良ちゃんは本当は泣きそうになるほど怖かったことに気づき……思わず、光聖くんに抱きついた。
「沙良?大丈夫か?」
いつものバカにしてくる光聖くんとは違い、本気で心配してくれてるのがその優しい声で伝わった。
「……ごめん。もうちょっとこうしてていい?」
珍しく甘えてきた沙良ちゃんに、光聖くんは沙良ちゃんの背中に腕を回してきた。
沙良ちゃんが落ち着いてから、2人はゆっくりと離れ、隣に並んで家まで帰った。