今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。
「せっかくいいとこだったのに行くのかよ……」
そう言ってチッと舌打ちをした男。
すると、暁はゆっくりとこちらへ近づいてきて……男の胸ぐらを掴み、そのまま男を持ち上げた。
「二度と俺らの前に現れんなよ」
無理矢理立つ形になった男は、暁の睨みに命の危険を感じたようで、走るようにもうひとりの男と部屋を出て行った。
次の瞬間……私は、沙良ちゃんに力強く抱き締められていた。
「ごめん……みゅー、ごめんね……」
「ううんっ……私こそ……」
「心優は謝らないで!私が、心優のこと……守らなきゃいけなかったのに……っ」
肩に冷たさを感じた。
沙良ちゃんは泣いていた。
何も悪くないのに。
悪いのはあの男たちなのに。
私こそ……何もできなかった。
沙良ちゃんが危ない目に合ってるのに、何もできなかった。
お互いにお互いを想う気持ちや、やるせなさで……2人して涙がとめどなく溢れた。