レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
学と尚子は、たまに喧嘩をしつつも、私と聖が宥めてまた仲直りしてを繰り返していた。

私はこの大学を来年卒業する。
きちんと出席してるし、テストもまあまあだった。


いつも、私と聖、尚子に学の四人でいたけど取り分け苦労はなかった。
寧ろ、四人でいると気が楽で楽しかったから。

あの退院の日以来、聖と手を繋いだりなどは一切していない。
それに復讐を打ち明けたから、好きだなんて言うこともない。


私も友達としてしか見てないから、当たり前なのだけど、聖がそういう話題をどこか避けているようにも感じた。
何故かはわからないけど。



聖はこの見た目だから、よくモテた。
だけど、その全てを断っていた。



告白してる子の中には、モデル級の美人もいたのに。
あれを振っちゃうなんて、聖の好きになった美佳さんは相当なんだな、と思った。



聖の告白を断る決まり文句は
“好きな人がいるから”
だった。



私と同じように。


聖も、会えないその人のことが好きなんだなって。




聖の気持ちは、多分、私しか理解出来ないんじゃないかな。
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