レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
伊織に会ったら文句たくさん言ってやる。
一発、叩くのもいいな。




………………何で。

今も会えるって思ってんだろ。


常識的に三年っておかしいじゃんね。



後二回年越したら成人だよ?


私の机の奥底にある、伊織が置いていった携帯。
まだ、手放せないのは伊織に会えることを諦められないから。



真っ黒な、その携帯を。



気付けばそのまま朝になっていた。
いつの間にか、寝ていたらしい。


泣いた後の目が酷いことを私は知ってる。


恐る恐る、姿見を覗きこむと早々に後悔した。
一重になってるし。

最低。


この怒りは全部聖に向けてやろう。



幸い、起きた時間が早かったからゆっくり目を冷やすことが出来てどうにか腫れがおさまった。



久しぶりにこんな泣いた。
もう、泣かないって決めてたのにな。


聖に泣かされたのも、なんかムカつく。



………てか、カバン。
忘れてた。


すぐに携帯を探して、尚子に電話をかけた。
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