レンタル彼氏 Ⅱ【完結】
落ち着け、私。

怒りを抑えながら、カチカチと返信を打つ。


【会いたくないので、カバンは尚子に渡して下さい。それかこちらがお金支払うので送って下さい。】


うん。
でも、これでも彼は引き下がらないような気がする。

すぐに鳴る携帯。


【今日、大学行くねっ!
いずちゃん、可愛い格好して来てね☆彡】


………………ここまで通じないモノ?
聖、本当にイヤだ。


そう、考えたら…。
私も伊織に同じようなことしてたのかな。


会いたくないって言われて、会うって言ったり。

好きだって…しつこかったのかな。



………伊織は、やっぱり迷惑だったのかな。



…………てか、聖に会ってからどんどん伊織への気持ちに迷いが出てきて。
私はこのまま、好きでいていいのか、だなんて。


ずっとずっと思ってもなかったのに。



…………とにかく、今日聖からカバン返して貰ったらもう連絡先消して、拒否しよう。

本当、会いたくない。
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