二人の王子さま
むぅ・・・
読み終わっちゃった。
本を閉じ、畳の上でゴロゴロとする。
「暇だ~・・・」
これ以上本を読む気にはならなくて、ゴロゴロしながら考える。
「・・・あたしいつ帰れるんだろうな」
「帰るってどこに?」
「へっ!!?」
何気なく呟いた独り言に返されて、びっくりして起き上がると、部屋の入口でニコニコしてる春さんと目が合った。
「は、春さん!」
「あは、ごめんね、びっくりした?」
春さんはニコニコしながら部屋に入り、あたしの前に座った。
「帆香は瑠璃の国の出身なの?」
「あ、あの、えっと・・・」
遊馬しかあたしのこと知らないから、いくら春さんとはいえ、正直に話していいものか迷う・・・