二人の王子さま
朝食を食べて部屋で少し休む。


今日は遊馬さんのお父さんの命令で、遊馬さんはどこかに出かけるらしい。



「では、行ってくる。夜までには戻ると思うが・・・
本を読んで過ごすといい。
何かあったら鈴を鳴らせば春が来る。
本当なら帆香も連れて行きたいが・・・」


「あたしのことなら気にしないで!」

昨日のことを思い出してしまい、少し顔が赤くなる。


「春は軽いが頼りになる。遠慮なく呼ぶといい」

そんなあたしの様子には気付いていないみたいで、遊馬さんはひらりと馬に乗った。


「はーい。行ってらっしゃい!」


遊馬さんは結構心配症なのかもしれない。

そんなことを考えながら見送った。






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