再会～初恋のやり直し～
次回の報告会の日に市原家に行くとひとりの女性がいた。

「今日から一緒に副会長をやってくれることになった鈴木さんです。」

「よろしくお願いします。」

そう言って頭を下げてきたのは副会長に立候補しようとして手をあげようとしていたお母さん。

保護者会の帰りに嫌味を言っていたお母さんだ。

彼女が帰った後にきいた話によると彼女の息子は来年中学受験を控えてるそうだ。親が保護者会の役員をやると内申点が上がるという噂らしい。なので、副会長に立候補しようとしたときに私に決まってしまい、腹がたったとのこと。きっと、私のうちも中学受験を控えているのだろうと思ったらしい。調べていくうちに私達が小学校の同級生だと知って、「不倫」ではないか？と騒いでいるらしい。どこまで噂が広がっているのか分からないが、仲間に入れることによって「不倫」事実がないことを証明しようとのことだ。

「不倫なんて・・・」

私には、そんな言葉はまったく縁がないと思っていた。

「相変わらずだね。そういうの全然、ダメなんだね山田さんは。」

市原君は笑いながら言った。

「よく旦那と結婚できたな？旦那との馴れ初めとか聞いてもいい？」

突然のプライベートな質問にびっくりした。

「お見合いで知り合ったのよ。」

「マジ？もしかして旦那以外の男はしらないとか？」

私は赤面した。この手の話は本当に苦手だ。私は言葉に詰まってしまった。

「ごめんごめん！そういう話はやめよう！でも旦那には愛されてるらしいじゃないか？旦那さん怒ってただろ？」

「硬い人だから。でも自分は香水のにおいをプンプンさせて帰ってくるのよ。」

「なんか不満があるなら、ちゃんと話をしたほうが良いぞ！」

そういった市原君は遠くを見つめていた。

奥さんとの間になにかあったのかもしれないな。と、このとき漠然と感じた。

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