再会～初恋のやり直し～

「お待たせ。」

私の方が先に着き、コーヒーを飲みながら待っていると仕事中だったのかスーツ姿の三好君が前に座った。

「お仕事中だったの？」

「営業の外回り中だから大丈夫だよ。呼び出したのはこっちだし。そっちこそ大丈夫？」

「夕方には戻らなくちゃだけど。」

「そうだね。じゃあ話は早いほうがいいね。悪いけど黙って俺についてきてくれないか？ここじゃあ話にくいことだから。」

そう言って三好君は席をたった。私は彼の後を追いエレベータに乗った。着いたのはこのホテルの一室。もちろんベットもあるしシャワールームをある。

「あの・・・」

私はためらった。

「大丈夫だよ。」

彼はそう言って、私の肩に手を置き部屋へと誘導した。

「ごめん。由香ちゃん。オレ小学校５年生のころから君のことが好きだったんだ。一緒に学級委員をやってから、ずっと。オレの初恋は終わってないんだよ。あの時、好きという気持ちを伝えられぬままこんな歳になっちゃったよ。今まで何人かの女とも付き合ったし、結婚も考えたこともある。でも、ダメだったんだ。君に「好きだ」と伝えられぬまま、誰かを好きになることが出来なかったんだ。」

私はなんと言っていいのか分からない。あの時、三好君に会っていれば、
私はちゃんと恋愛できたかもしれい。私にはもっと違った人生があったのかもしれない。三好君にも違った人生があったのかもしれない。

「三好君が今まで独身だったのは私のせいだったの？」

「まあ、そうとも言えるな。」

と少し、意地悪そうに微笑んだ。

「それだけじゃあないさ。市原の奥さんだった愛は知ってるか？」

「うん。この間市原君の家で写真みた。」

「あいつに交際を申し込まれて付き合ったこともある。由香ちゃんは他の中学に行っちゃって電話をしてもつなげてもらえないしもうダメかな？って思ってたおれは愛と付き合いはじめた。」

「電話があったなんて、私全然知らなかったよ。」

「愛は、尽くすタイプで良い女だったよ。でも、オレはダメだった。どうしても君が忘れられなかった。そんなオレの気持ちに気づいた愛はオレから離れていったよ。オレはふられたんだよ。そして愛は市原と結婚して子供を作った。愛は最終的に市原と結婚して幸せだったと思うよ。」

「なんで？」