心恋ふ



「……最近は人も鳥みたいに空を飛べるようになったんだ」


かなり遠くのモノが見える僕の眼には

黒い着物に袴を着て、左眼に黒い眼帯を付け黒く長い髪を左下に結った少年が天から降ってくるのが見えた。


あまり世間に興味は無いけど
面白いものは熟知してると思ってたんだけどな。


どうやって天からふっ…「考えられるわけねェだろぉォォオオ!」





え? 僕の心の疑問を遮った声は誰かって?

これから血祭りにあげられる土方さんだよ。


迷わず刀の柄に手をかけようとした
でも僕の手は柄ではなく、




「お、おい総司。本当にあれ人なんだよな?」

己の口元にいくことになった。

「ちょ、土方さ、ん僕、し…死ぬから、手をはな…ウップ」


僕の肩を掴んで前後左右に揺らしていた土方さんも、やっと我に還ったのかパッと肩から手を離した。















いつか絶対、土方殺す。


僕の中にそんな誓いをたてられたことを、
天を見て慌ててる土方さんは近いうち知ることになる
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