だから、笑わないで。


憂は俺にそれをみせながらうれしそうに聞いた。



「これっ、覚えてないの?」

「……え……」

「リンくんがくれたんだよ!あたし、すぐなくしちゃって…すごく探し回ったけどなかったの。それでリンくんがそこのおっちゃんに聞いてくれたんだよ。どこで売ってるんですかって。そしたらここらへんのお店で売ってるって。お店の伝統のものだから何年たっても売ってるって。だからやっと探しにきたの!あってよかったぁ~…」




憂は大切そうにそれをぎゅっと握りしめた。
俺が憂にとってあげた?
このストラップを?
いつ?



俺の頭のなかはクエスチョンマークで一杯だった。





「……あ~…憂、ごめんそれいつのはなし?」

「覚えてないの?お祭りいったときだよ!」

「………ん~…」

「花柄の浴衣きてたよ!リンくんはお面買った!」





花柄…


そういえば一回だけふたりで行ったことがあった気がする。



紺いろの浴衣にピンクの花柄だったよな、憂は。




でもストラップのことは覚えてない。



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