そして優しい~番外編~
「おばさんに会えて、よかったな?」
美雪の心の負担が、おばさんに会った事で少し軽くなった気がして、俺はそう言った。
すると、美雪の瞳がジワジワと潤んできた。
「涼」
そう俺を呼ぶ声は、半分涙声。
ったく、本当に意地っ張りで、だけど……俺の前でだけ泣き虫な可愛いお姫様だよ。
「おーい! 今日は本当は、恋人同士が甘く愛を語らう日なんじゃねーのかぁ?」
俺はわざと茶化して、空いていた右手で美雪の頬を軽く摘まんで引っ張った。
すると、美雪はいつもの調子が戻ったのか、ちょっと頬を膨らませて、摘まんでいる俺の手を指差した。