三毛猫レクイエム。
そんな私達を、明菜ちゃんは笑顔で受け入れてくれる。
「前に真子姉がうちに来たときは、今にも消えちゃいそうだったけど、今は凄く良い顔してるよ」
「そう、かな?」
「うん」
ヒロが真顔で、
「タキは、これでいいと思ってるかな?」
と、核心に迫ることを聞く。そんなこと、明菜ちゃんにわかるはずもないのに。
「うん、きっと、喜んでるよ。自分のせいで真子姉が前に進めなくなってたら、お兄ちゃん、自分の身を地獄に運んじゃうと思うもん」
そう言ってくれる明菜ちゃんの言葉が、私達を許してくれる天使の言葉に聞こえた。
今にも泣きそうな、情けない顔をしている私を見て、明菜ちゃんは微笑む。
「真子姉、凄い悩んだでしょ」
「え……」
「私の知ってる真子姉なら、絶対悩んでるし、いっぱい泣いてると思う」
見透かされていることに、気恥ずかしさを覚える。明菜ちゃんは笑顔で、そんな私の手を握って、
「頑張ったね」
そう、言ってくれた。
「凄い、勇気が要ったと思う。でも、真子姉には幸せになってもらいたいから、私、応援するよ」
「明菜ちゃん……っ」
明菜ちゃんの言葉が嬉しくて、私は思わず明菜ちゃんを抱きしめた。
「やっぱり真子姉は泣き虫なんだから」
明菜ちゃんはそう言って笑うと、
「こら、ヒロ君、真子姉のこと幸せにしてくれなきゃ、怒るからね」
と、ヒロに向かってそう言った。ヒロも笑って、
「タキに呪い殺されるだけじゃなくて、明菜ちゃんにも怒られるのか」
そう、冗談を言っていた。