欠点に願いを
「駄目です!」
予想以上に強く否定されて、少しビビる。
そのままココに手を引っ張られ、強制的に立ち上がる。
「行きますよ」
ココに手を引っ張られて、俺は保健室に連行された。
……ってか、流れとはいえ俺、ココと手ぇ繋ぎっぱなしなんだけど。
何なの、このドキドキ展開! 俺、女の子とこんなに長く手ぇ繋いだの初めてかも!
ってか、ココってこんな積極的な子だっけ?
「失礼します」
俺が無駄にドキドキしてる間に保健室に着いたが、先生は不在だった。
俺は、適当にあった椅子に座る。
ココは背伸びして、薬剤棚から消毒液と脱脂綿とピンセットを出そうとしている。
「ココ、勝手に触らない方が良いんじゃ」
「あたし、保健委員なんです」
この学校では保健委員は、先生が不在の時は応急処置をしていい事になっている。
ココが保健委員だったなんて知らなかった。きっと他の男にも、こうして優しく看病してあげるんだろうな……。
「……どうして俺に聞いた?」
「何がですか?」
ココが消毒液を持って、俺の前の椅子に座る。
俺はココと目を合わせるのが怖くて、目をつぶった。
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