引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「瀬川は受験勉強しなくて大丈夫なの?」



「うん。全国大会に行くことになったから、引退できないみたいだよ」



「へぇ〜。それはマジですごいかも。でも全国行き決まっても気は抜けないもんね」



「うん。だから毎日のようにグラウンドに行ってトレーニングしてるよ。後輩からも『教えてくれ』って頼まれるんだって」



「へぇー。瀬川が後輩から頼られる姿…、全く想像できないなぁ。そもそも先輩面してる瀬川が浮かんでこないし」



「あははっ!でも大会とかで後輩と話してるところよく見るけど、しっかり教えてるみたいだよ」



「まあ…、走りに関しては誰よりも練習してるんだろうしね」






映美佳と話していたら、あっという間にみんなとの分岐点にやってきた。






「あっちの奥がFクラスで、その手前がEクラス。そして向こうの廊下を行った所がAクラスだね。お互い頑張ろーね」



「柚ぅ〜!終わったら映美佳と3人で帰ろーよー」



「分かった。じゃあ終わったらここで待っとこうよ」



「オッケー♪じゃーね、柚!!」






ホント…、今日はテンションちょっと高めだな、あかねちゃん。





同じクラスの映美佳ですら考えることが分からなくなってるみたいだし…。





ななっぺには上手く悩みを話せてるといいんだけど。








そんなとびきりの笑顔を見せたあかねちゃん達と別れた後、私は一人Aクラスの教室に向かい、そっとそのドアを開けた。





教室に入ると、すでに席の8割ぐらいが埋まっているみたいだった。





でも、さすがは成績優秀者が集まるAクラス、席に座っている人のほとんどが自習をしていて、かなりの人がいるハズなのに、物音ぐらいしか聞こえてこない。





入口を2、3歩入ったところで席を探して顔をキョロキョロさせると、見たことのある顔を探し当ててしまった。






あ。倉本くん…





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