引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「まあ…、うん……」



「へぇ〜。ホントにホントだったんだぁ?」



「信じてない人、けっこーいるもんね。うちらも都市伝説か何かだと思ってた〜」



「もしくは学校の七不思議?」



「はははっ!でもさぁ、二人見てたら対照的すぎるもんね〜。信じろって方がムリ」



「でも瀬川が話してくる女子に言いふらしてるらしーじゃん。『杉田と付き合ってる』って。おかげでうちのクラスの瀬川びいきの女子、瀬川に接近しにくいらしーよ」



「だろーね。お気の毒って感じ〜」






この二人は敵なんだろうか…、味方なんだろうか…?





盛り上がってる話を聞いた感じでは、拓のファンではなさそうだけど…。






「あっ、うちらのコト、分かる?もうこのクラスになってしばらく経つけど…」



「ごめん…、まだクラスの顔と名前、覚えられなくて…」






申し訳なく首を横に振ると、二人は「いーのいーの」と笑顔で言いながら自己紹介をしてくれた。







よく笑う、ロングヘアーの女の子は…





「私、西田可奈(にしだ・かな)。よろしく〜」






そしてもう一人の、栗色のショートヘアーの女の子は…





「私は間山由梨絵(まやま・ゆりえ)。二人とも…、と、あとイルカも同じY小だし、杉田さんとは同じクラスになったコトないから、知らなくて当然だねー」



「あっ!イルカ遅いじゃん。黒板に名前書くだけなのに、何手こずってんの〜?」



「ごめん、みんな一斉に書くから混んでて……」



「まっ、いーや。今杉田さんに自己紹介してたトコだから、イルカも自己紹介しなよ」






そして再び私達の前に姿を現したのは、さっきから『イルカ』と呼ばれている、この女の子。





西田さんと間山さんに比べたら、ちょっと大人しい印象も受ける彼女は……





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