引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「ちょ…っ、ココでいーわけ?二人で話した方が……」



「いーの。みんなに聞いてもらって証人になってほしいから。あのさ、倉本……」






あゆが慌ててたけど、それに構うことなくあかねちゃんは倉本くんに向かって口を開いた。





その表情は…、凛としているように見えた。









「今まで…ありがとね。何かちゃんと言えてなかった気がしてさ。私、倉本と付き合ったコト、全然後悔してないし、どんな倉本も受け入れてきたつもりだから」



「………ああ」



「高校行っても頑張ってね。私、倉本の夢、応援してる。好きだったけど…、ちゃんとその気持ちからも卒業できたと思うから」







てっきり…



「また付き合ってほしい」って言うのかと思ってた。





だって…いい雰囲気とまではいかなくても、付き合う前ぐらいの仲の良さには戻っていた気がしてたから。





でも…、それはあかねちゃんが倉本くんに『恋愛』という感情を通さずに接していたからなんだ。





いつの間にか…あかねちゃんもあの別れから上手く立ち直っていたんだね。





倉本くんにきちんと「ありがとう」って言えるくらいに。








「馬場も…、頑張れよ」



「うん!もちろん言われなくても!」






あかねちゃんの目にうっすら涙が浮かんでいるように見えた。





だけど、倉本くんに笑ってうなずいてるあかねちゃんを見て、何だか大丈夫だと思えた。





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