引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
拓の持っていたソフトクリームのうちの1個を受け取って、店の前にあったベンチに肩を寄せ合って座った。
綺麗なグリーンとホワイトのストライプソフト。
上から一口パクつくと、本格的な抹茶のほんのりとした苦みと、ミルクのまろやかな甘みが口の中で合わさって、とってもおいしかった。
「拓…、心配かけちゃってごめんね?」
「ああ、俺の方こそ。ソフトクリームに向かって一直線だったなー」
「いや…、そうじゃなくて。西田さん達のこと」
「あ、そっちか」
ベンチからは、嵐山の美しい風景が広がっている。
川に架かっている橋を渡る観光客らしき人達はとても多いけど、その後ろに広がる緑の山々は、きっと紅葉の季節が来たら綺麗なんだろうな…。
「拓はホントに西田さん達のウワサ聞いたことないの?」
「西田…?アイツら何かあったっけ?」
同じ小学校出身であるハズの拓が思い出せないみたいだし…もしかしたら女子の間のウワサでしかなかったのかな、いじめのこと。
「あゆとななっぺに、昔西田さんと間山さん達のグループが蘇我さんをいじめてたらしいって聞いたんだけど…」
「え?そーだったっけ?…あ。そーいえば6年の時か?どっかのクラスでいじめあったらしいとは聞いたコトあったけど」
「たぶんそれだよ。そのいじめが明るみになったのも6年の時って言ってたし」
「マジかーー。でもそれ、小学校ん時の話だぞ?西田と間山が蘇我と一緒の班になるってコトは、仲直りしたんじゃ…?」
「ううん。実はそうじゃないみたいで…」