引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「あっ、ここだね、お店」
「へぇ〜。けっこーデカイな。入ろーぜ」
拓と手をつないだまま店内に入ると、すでにうちの制服を着た女子が何人かうろついていた。
もちろん手にはあぶら取り紙。
「拓!あぶら取り紙こっちだよ」
「あー、こんな所にあった。…てか、量ハンパないな〜。こんな量使い切る女子…、マジでスゲー」
あぶら取り紙が何個かセットになって売られているのを見た拓は、珍しい物でも見るかのようにいくつか手に取っていた。
私ももちろんあぶら取り紙を何個か手にしたんだけど…
他にもコスメグッズがたくさんあって、惹かれてしまう。
でも昼食とか甘い物とか食べないといけないし、八ツ橋や他のお土産を買うことも考えると、予算オーバーかも…。
色々見て考えたけど、結局あぶら取り紙だけをレジに持って行った。
「柚、買わなくて良かったのか?」
「うん。他でお金使いたいから」
「キッチリしてるよな〜。ま、ソコが柚のいー所だけど。次はどーする?」
「抹茶パフェ食べてもいいかな?」
「あっ、俺も食べたい!」
店を出て、再び拓と手をつないでブラブラしていると、急に拓が次に行こうとしていたお店へのルートとは違う道に私を引っ張りだした。
「えっ。拓、どうしたの?こっちじゃないよ」
「知ってる。でも…、どーしても我慢できねえんだよ」
「え……」
誰も見てないような建物の物陰に連れ出され、そこで拓にギュッと抱きしめられた。
私の心臓の動きが、急に速くなる。
…というか、ここ外なのに、誰も見てないとは言え拓…、大胆だよー……。