のたお印の短編集
「毎日学校のトイレの個室や、校舎の屋上や、こういう路地裏で、あんまり話した事もないような相手に体を開いていました…だって私、女だから…力では敵わないし、誰も助けてくれないし、恫喝されて、身を守る為には言いなりになるしかなくて…」

俯き加減で言う雛罌粟。

だがその唇は悦楽に歪む…。

「力では敵わない?…さっきの後ろ廻し蹴りで?」

「……察して下さいよ、探偵さん…」

顔を上げた時、雛罌粟の表情はだらしなく緩んでいた。

「抵抗できないまま、大勢の見知らぬ男に無理矢理に…私は『そういうの』が好きなんです…」

< 11 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop