廻音
10
言葉も出ずに息だけを吐いて、ベンチに深くもたれ掛かる。
次に隣に腰を下ろす影を、直接見ずとも、影の持ち主は判っていた。
「疲れたよ。というかヒットポイントがだだ下がりだ。
木の下のくせに影が無くなっていくんだ。」
「移動すれば良かったじゃないですか。」
「ベストポジションだったんだ。」
「私にバレる為の?」
視線を逸らす來玖さんは、苦笑いをして頭を掻いた。
次に隣に腰を下ろす影を、直接見ずとも、影の持ち主は判っていた。
「疲れたよ。というかヒットポイントがだだ下がりだ。
木の下のくせに影が無くなっていくんだ。」
「移動すれば良かったじゃないですか。」
「ベストポジションだったんだ。」
「私にバレる為の?」
視線を逸らす來玖さんは、苦笑いをして頭を掻いた。