廻音
「大丈夫。退屈するなんて心配はないし、そもそも退屈している暇なんてないよ。
廻音の匂いに包まれながら途方もない時間を何にも邪魔されずに過ごせるんだ。
興奮を抑えきれなくて苦労する事の方が心配だ。」

くんくんと鼻を利かせてみても、私には無臭だ。
彼が感じる私の匂いとやらが、悪臭ではない事を願った。
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