廻音
「堪える事」にすら堪えかねたのか、すべてを爆発させたかの様に胸の内を吐露する姉に、
ただ姉を想い、一心に突き進んだ彼は、信じられないと、けれどすべてを悟ったかの様に、そして二人を壊そうと決めたのだ。

二人の今を守れずに、そして君が泣くのなら、もう壊してしまおう…と。

首筋に伸びる、細く美しい指が、息の根を探し回る。
その時は二人一緒に、と己の首にも姉の掌を這わす。
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