蜜色トライアングル ~Winter Blue



冬青の怒号に、男たちはびくっとし慌てて剣を構えた。


午後の指導が始まって一時間。

冬青の気迫は衰えることなく、弟子たちは気合の入った指導を受けていた。


……と、そこに。


「兄貴」


白い道着を着た由弦が入り口から顔を出した。

その瞳には剣呑な色がある。


「由弦か」

「後でちょっと話がある。終わった頃に来る」


――――内容の想像はつく。

冬青は軽く頷き、再び剣を構え直した。


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