家族☆ごっこ★
「うん 悲しいね…。その人がそれに気づいてないって言うのも
けっこう悲しいよ。自分がピエロみたいでさ。
琴子の好きな奴は ほかに好きな人がいるのか?」

「たぶんね…。それも全然普通じゃない。」

「普通じゃないって…まさか不倫とか?」


違うから・・・・・ライバルは男ってことよ。

「先生か?」

「違うし。」

鈍感だな・・・・・・。


「光・・・・光は好きな人いないの?」

「え?」

「私は初めてなんだ 人を好きになったの。」

「初恋か。マジ?可愛いな琴子。」

光の指が私の髪の毛をやさしく撫ぜる。

「だからね・・・ほんと悩んじゃって…その人に
想いを伝えたら…離れてしまうような気がして……。
今のまま幸せにいられるなら…このままでいいのかなって…。
だけどだけど…あの人に触れられると
キュンとして…たまらなくなるの。
私は思わず想いを口にしてしまいそうになる……。」

「え?そんなに身近な奴なのか?」

あ・・・・思わずべらべらと言ってしまって
私はパニくってきた。


「あぁ・・・あの あんまり考えないでいいから。」

光の手が止まった。
< 170 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop