家族☆ごっこ★
「信之介さん おはようございます。
早く食べてください。」

信之介を抱きかかえて おばさんは窓の方へ歩いて行った。


「あ 光は?」

「もうシャワー浴びてますよ。」

「そう じゃあ先にいただいちゃおう。
昨日の夜食べてなくて 美味しそう。」


狂ったようにむさぼった。

「琴子さんは旦那さま似ですね。」

「私 一回も会ったことないんです。
最低な父親だったらしいですけどね。今も
やっぱり最低ですよ。」

「最低?」

「信之介産みっぱなしだし
親の責任はどうなってるんだか。
私だっておかあさんやおばあちゃんに預けっぱなし。」

「信之介さんのことは 光さんが
おかあさまに行ってきていいよって言ったんです。
今まで大変苦労した方だったらしいからって。」

「で私まで呼び戻されちゃって。」

「信之介さんにとっては兄と姉なんですからね。
頑張ってくださいよ。」

そう言うと信之介に

「頑張ってくださいよ~~~」と
頬ずりをした。

さすがベテランは違うなって思った。
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