【完】あなたの傍で・・・何色に染まりますか
私は車の中で、何も話せずにいた。

ただ、膝の上で両手を握っていただけ…


「そんなに緊張しないでいいよ。とって食ったりしないから…」

『別にそんな風に思っていません。
 相沢さんいい人だと思うし…』

「じゃあ…どうして。そんな風に手…握ってんの?不安?」

『ごめんなさい。そんなんじゃないんです。
 ちょっと・・・』

「そっか…俺じゃ心配だよね。やっぱり…ごめんね」


相沢さんのせいじゃないのに…迷惑かけてるのは私だ…

『違うんです。相沢さんだからではないんです。
 私…和人と達也以外の車で二人きりになるのが怖いんです…
 その…過去があるから・・・』


私が、そういうと、海が見える駐車場に車を止めた。


「ごめんね。その過去って二人は知ってんの?」

『はい…半分は。でもこうなることは知りません。原因も…』

「誰にも話せないことなのかな?話すと楽になるよ…」

言ってもいいのだろうか…でも…

でも…相沢さんは自分のせいだと思っているかも知れない。


私は話してみようと思った。

なぜか安心でできたから
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