eternal snow
#2
入学してからしばらくして、
私は存在しなくなった。


教室には、
BGMのように声が溢れている。


時々私が見えるのか、
椅子に画鋲が置いてあったり、
授業中ずっと消しゴムが飛んできたり、
持ち物がなくなっていたりする。


それでも私は動じたりしなかった。
と、いうより…
動じない、を装っていた。


家に帰れば、無条件の味方がいる。
もちろん、家族には
学校のことは話していない。
ただ、
居場所があるだけで、私には救いだった。



< 4 / 33 >

この作品をシェア

pagetop