eternal snow
とはいえ、
居場所のない
そこにいるという資格ももらえない
学校に毎日通うのは
正直言って気が重い。


何も見ない。
何も聞かない。
――私は、
存在しないのだから。


卒業さえすれば、
私は形あるものに
なるのだろうか?

誰かに認めてもらえるのだろうか?


どうしようもなく痛い。
痛くてたまらない。
泣きたいはずなのに、
きっと私の両目は
涙を作り出せないように
なってしまったのだ。


痛い。痛い。


くちびるの裏を
噛めるだけ噛んでも
足りない。

私は時々、
痛いと思う気持ちを
本当の痛みに変えることで
安らぎを覚える。


左手の、親指の、
付け根のあたり。
手首はなんだか
知られてしまいそうで怖かった。


カッターを引く。
鋭い痛みは、
私を安心させる。


『心が痛いんじゃない
…体が痛いだけ』


そう、思い込むために。


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