エトセトラエトセトラ



「君も運が悪いよね」

繊細な手付きで僕の前髪を撫でながら、彼女は皮肉のように呟いた。


「なんで」

「だってさあ、こんな身近に、」

やっと瞼を開けた僕の瞳を真上から覗き込んで、彼女は妖しく微笑む。
茶色い瞳がふっと笑んだ瞬間、彼女の瞳がきろりと紅く変化して光った。



「吸血鬼が居るなんて」






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