エトセトラエトセトラ
僕が何も言わずに紅い瞳をじっと見つめていると、しばらくの後、彼女はくすっと笑って体を起こし、ベッドに勢いよく体を埋めた。スプリングがぎしっと小さな悲鳴を上げる。
「あー怖い怖い」
とてもそうは思っていないだろう声色で(むしろ楽しそうに)、彼女はそう言った。
「……きずがいたい」
少しだけ不快の意を滲ませながら呟く。
いくら彼女が血を吸うのが上手くても、その直後は意識がはっきりしないし首筋の傷口も多少は痛む。
「どれどれ、舐めてあげよう」
むくりと起き上がり僕に近付く彼女。その気配を感じて僕は顔を振り向かせ、彼女にそっと口づけた。