エゴイストよ、赦せ
ローサの顔が思い浮かんで少しためらう。
否、もう大丈夫だ。
二度と忘れない。
大きな目が三日月形になるあの笑顔や、揺れていた綺麗な髪の色、やさしい香り、僕を呼ぶやわらかな声。
その温もりを。
僕はバッグからグレーのハンカチを取り出し、彼女に差し出した。
「大丈夫?」
僕はどうやら、エゴイストで。
たとえば、大切なひとが笑っていてくれるなら嬉しいけれど、それが僕によってのものならば、もっと嬉しいと思ってしまう。
僕と一緒にいるときの笑顔が、そのひとの一番の笑顔なら良いのに、と思ってしまう。
憶えておこうと思うんだ。
三鷹が言ったことを。
誰かのためだと口にすることは簡単だ。
けれど、ときにはそれは、自分を正当化する理由になるだろう。
ときにはそれは、自分の感情を押しつけることになるだろう。
だから僕は、自分はエゴイストである、と心に刻んでおこう。
許して欲しいと思う。
エゴイストであることを――。
否、もう大丈夫だ。
二度と忘れない。
大きな目が三日月形になるあの笑顔や、揺れていた綺麗な髪の色、やさしい香り、僕を呼ぶやわらかな声。
その温もりを。
僕はバッグからグレーのハンカチを取り出し、彼女に差し出した。
「大丈夫?」
僕はどうやら、エゴイストで。
たとえば、大切なひとが笑っていてくれるなら嬉しいけれど、それが僕によってのものならば、もっと嬉しいと思ってしまう。
僕と一緒にいるときの笑顔が、そのひとの一番の笑顔なら良いのに、と思ってしまう。
憶えておこうと思うんだ。
三鷹が言ったことを。
誰かのためだと口にすることは簡単だ。
けれど、ときにはそれは、自分を正当化する理由になるだろう。
ときにはそれは、自分の感情を押しつけることになるだろう。
だから僕は、自分はエゴイストである、と心に刻んでおこう。
許して欲しいと思う。
エゴイストであることを――。