告白タイム
王子様
「ほら、亜子。あそこ、あの人がそうだよ!」
「え?」
放課後の時間。後ろから私の肩をポンポンと叩いてきた知恵美に体を向けると、私の視界には少し顔を赤らめた知恵美が入ってきた。
「え、ど、どうしたの、知恵美!?」
ギョッとする私を余所に、知恵美は私を通りこしてある一点をうっとり眺めている。
気になって、私も知恵美の見つめる一点に目を向けるとー…
「キャアアアアアアッッ!!!」
「!?」
…ムンクの叫びかと思ったのは、あながち間違いじゃ無いと思う。
さっきまでは気づかなかったけど、教室のドア付近で女子達が群がっていた。
「キャアアッ!」
「新君ーこっち向いてぇ!」
「はう…目眩が…」
「…あ、一人倒れた」
うわぁ…と正直ドン引きしながら、私は群れる女子軍団を見ていた。