告白タイム


「…あー…うん、ちょっとどいて」


「キャアアアアアアッ!!」



黄色い叫びが飛び交う中、女子軍団の中心にいる人が不機嫌そうにそう言ったが、女子軍団達はただ叫びを上げるだけだった。



…どいてって言われてるんだから、どいてあげようよ。めっちゃ迷惑そんじゃん、あの人。




女子軍団の中心にいるその人は、まあ美しい美男子であった。




無造作だけど、艶やかな黒髪。



ここからじゃちょっと遠いから細かい部分までは見えないけど、ここからでも分かるくらいに綺麗な人だという事が分かる。




そりゃあ女子が黙っているハズが無い。モテるはずだ。




「あ、」




そういえば、と。



数日くらい前に、私が偶然聞いた女の子達の噂話。


「ねぇ、あの人が帰って来るんだって!」


「知ってる知ってる!はあ、早く来ないかなあー」





「…?」疑問に思った私は、そのあと教室にいた親友の知恵美にさっきの事を聞いたのだ。




すると知恵美は目を大きく開かせて、「はあ!?知らないの!?あの人は超ーーッッ美しいの!美男子なの!最高なの!」


「は…はあ、そうなんだ」


あまりの気迫に一瞬たじろいだが、とにかく美形な人なのだと納得した。




< 3 / 42 >

この作品をシェア

pagetop