Anathema Reaper-呪いの収穫者-

口をへの字に曲げ、楓の頭を小突く。
慌てたように正紀が止めに入るが、廉はやめようとしなかった。

その間も楓は動かない。

正紀は何とかして廉を楓からひっぺ剥がし、彼の横っ面を叩いた。

「ふざけるのも大概にしろ」

「ふざけてないし。んだよ。おぶって帰るとでも言うのかよ?」

威圧的な視線を向けるも、簡単にかわされる。
そして、正紀は何か思い付いたように手を叩いた。

「……それだ!」

「何が?」

「おぶって帰る!」

「お前こそふざけるのも大概にしろっ!」

さっきのお返しと言わんばかりに、廉は正紀に平手打ちを食らわした。

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