Anathema Reaper-呪いの収穫者-

「敵つったって、今朝まで話してたんだよ?笑ってたんだよ?
なのに、急に敵で殺さなくちゃいけないとか……

オレさ、そんな器用じゃねーんだよ。みんなも言ってるけどバカなんだよ」

「……」

「そんなバカなオレに、こんな事できるわけないじゃん。
しかも、存在そのもの消すとかさ……色々と耐えられねーよ……」

「……」

部屋が静まり返る。

正紀はリュカの方を向いた。
手には拳銃。

それを確認したリュカは、静かに首を振った。

「手出しは無用よ。辛い選択だけど、これがあの子に残された道。
レンになったら……その時はよろしく」

正紀が悲しそうに頷く。
二人は廉に目を戻した。

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