Anathema Reaper-呪いの収穫者-

レンが笑う。
背筋の凍るような笑み。

廉は一歩下がる。

『だったら、どんな結果になっても文句は言えないな。ここでオレが君を殺しても』

「えっ……」

前を見る。
レンの姿が見当たらない。

振り返ると、目の前を鎌の刃が横切った。

バランスを崩し、転ぶ。
そんな彼の足を、鎌が掠めた。

鮮血が流れ出る。

『遅い!』

「何だよ……」

廉は鎌を杖代わりにして立ち上がった。
顔をしかめる廉に対し、レンは余裕綽々でいる。

『侮らない方がいいよ』

「……もしかして本気?」

『本気』

「因みに、"本気"と書いて"マジ"と読むからな」

『今いらない。そう言うのいらない』

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