素直じゃないあたしを温めて
父さんは、母さんに注意するのじゃなくて、俺の成績を上げろと言ってきた。
母さんに、俺への侮辱を辞めるように言うのじゃなくて……
それから、もう分かったんだ。
此処に、俺の居場所は無いって。
昔から兄貴と比べられていた俺はずっと頑張って来た。
母さんに褒めて貰いたくて。
母さんに認めて貰いたくて。
兄貴と同じ目で見て欲しくて。
勉強はもちろん、スポーツだって、美術だって、家庭科だって、
全部全部、完璧にしてきたつもりだった。
だから、小学生までは母さんから嫌味を言われる事はあまり無かった。
でも、それが中学生になった途端、俺は駄目になった。
勉強しても“出来ない子”だった。
周りに俺よりも頭の良い奴らがたくさんいる。
俺がトップに立つ事なんて、出来なかった。
そしたらもう、母さんの俺を見る目が変わってしまった。
それからだった。
母さんがひどく俺に嫌味を言うようになったのは。