幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
「……うぅん……ながる?」





その声を聞いて一気に目が覚め、頬からパッと手を離した。


桜はテーブルに伏せたまま、俺の方に顔を向けて、まだぼんやりとした目でこっちを見ている。




まずいな……ほっぺに触ってたのバレたよな?






「……しんねんかい……はじまっちゃった?」


「う、うん。桜のこと呼びに来たんだ」


「……も……ちょっとだけ……」


「え?」


「……ねむいの……」





桜はとろん とした目で俺を見つめてくる。




どくん!




心臓が一度大きく跳ねてから、鼓動が早くなる。



そんな顔して見つめるなよ……。




顔がどんどん熱くなっていくのを感じてた。
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