幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
「流瑠も、夢で言ってくれたように言ってよー」


「ゆ、夢の、は、話だろ?」


「流瑠は私のこと嫌いなの?」


「んな訳ねぇだろ!」


「じゃあ。夢は正夢ってことだね!」





桜がにこにこ笑う。




「……なんだよそれ」


「へへっ。夢だけど初めて言われたもんね!」




嬉しそうに笑う桜に言いたくなる。




“夢”じゃなくて、ホントにホントの“現実”だよ。




でもな、桜。

俺が言ったのは、桜が思っている”大好き”とはちょっと意味が違う。




俺の“大好き”の本当の意味が桜にきちんと届く日までは、この言葉は大切にとっておくな。


いつか、必ずこの“大好き”の意味ごと桜に届けるから。







 
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