幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
「まさか!?見せてっっ!右腕を見せなさい!」


「ぉうわっ!ちょ!やめ…桜っ!」





流瑠の制服のシャツの右手首のボタンをはずし、一気にめくり上げる。





「…やっぱり」


「…や、大丈夫だよ。もう痛くはないから」






私をかばって、高速スピードで飛んできたサッカーボールを受けた流瑠の腕の内側は、内出血し少し腫れていた。





「ごめんね。私をかばったからだよね。痛いよね…」


「いや、本当にもう大丈夫。俺が悪かったんだよ。変な所でボールを受けたりしたから」


「ごめんね。ごめん…もしも流瑠の腕が折れてたらどうしよう。勉強に影響出たら…受験に影響したら…どうしよう…」





責任を感じて目に涙が浮かんできた。





「え…ちょ、泣くなよ…桜。折れてないし、明日になったら腫れも引いてるって」





涙をこぼす私を覗き込んでそう言った。







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