Mail
 『櫻は何か変わったことは?』
 そう聞かれて、ふと彩女のことが頭を過ぎったがあえて言わなかった。
『なんかお母さんみたい』
 なんとなく話をそらそうと、そう送った。
『どこがですか。こういうの、櫻の癖』
 詩季が何のことを言っているのか全くわからなかった。
『何がですか?』
『櫻って、我慢できなくなって吐き出さなきゃなんない時は前みたいに包み隠さず話すけど、自分の中で嫌なことを我慢してる時は、こうやってあえて話をそらそうとするんだ。自然な流れで。だからすぐわかる』
 ちょっと思い当たるとこがあるので、返事を返せなかった。          『図星の時はこうやって言葉に詰まるとことか』
 その通りだった。
 メールだけじゃなくて人と会話をしているときでもこうだ。 でもあたしは同じような言い方で、以前にも言われたことがあったような気がするのだが思い出せない。
『そんなことないです。ていうかメールだけでそこまで分かるわけがないじゃないですか』
『まあね』
 詩季のこの意味ありげなまあね、に少しカチンときたが抑えた。
< 23 / 40 >

この作品をシェア

pagetop