男恐怖症克服ドキドキ大作戦!?

恋に落ちた女(side 大輝)

✩恋に落ちた女

俺と果穂の擬似恋愛は終わった。
あれは擬似だったのか・・・。恋人ごっこだったのか・・・。
俺はそう思っていた。
だって、俺はあいつをずっと前から知っていたのだから。

あれは、4年前のことだ。
あれが中2だったとき。あいつは今とは全然別人だった。
俺とあいつは同じ中学だったんだ。きっと、あいつは知らなかっただろうな。
あいつは、ヤンキー絡みの男と付き合っていて、全然ほかの男は
見えていなかっただろう。あいつはヤンキー絡みの男に溺れていたように見えたしな。

俺は、今とは少し違う俺だった。
あまり、今みたいに目立って有名なんかじゃなかった。
少し地味な感じだだったんだ。
そんな時、俺はあいつに恋に落ちた。
地味だった俺に名前なんかは聞いてこなかったが、よく話しかけてくれていた。
俺の唯一の友達だった、浅野 侑斗。
侑斗は俺の唯一の友達だった。
恋愛相談なんぞにも乗ってくれた。
俺が、あいつを水野果穂を好きになったことも。

中2と言う月日が流れて、中3になった俺たちだったがあいつは
学校にもあまり来なかった。俺が初めてあいつの過去を知った、1ヶ月前。
きっとあの過去が消したくても消えなかったことに悩まされていてろくに学校にも
こなかったんだと思う。
それでも、俺はあいつを諦めることができなかった。
告白して付き合いたかった。でもその恋は終わろうとしていた。
早かった。この1年間。だが、俺はあいつの受かったこの高校に俺は
イメージをチェンジして、入学式を迎えようと思っていた。
なぜなら、あいつに気づかれないために。
中学の時に見かけた顔だと気づかれないために。
あいつと同じ高校に行って、あいつを守っていきたいと心に決めてたんだ。
告って、正式な恋人にするために。そしたら、このことをあいつに言おうと決めていたんだ。だから、あいつには優しく接する。
そうすれば、振り向いてくれると思ったからだ。
俺はこの高校のアイドルになってしまった。ほかの女子たちの黄色い声に
いつもイライラしていた。アイドルだから特別とかそんな腐った考え方はありえない。
俺は大嫌いだった。
ただ、あいつを守ってやりたかっただけのためにこの高校に入った。
そんな考え方の俺っておかしいよな。

俺はあいつに恋に落ちたのだ。
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