悪魔のようなアナタ【完】
晃人は言い、すっと胸ポケットから名刺入れを出した。
スマートな仕草で一枚取り出し、灯里に差し出す。
どうやら会社の名刺ではなくプライベートな名刺らしい。
「あ、ありがとう……」
「連絡を待ってる。ではな」
晃人はポンポンと灯里の頭を軽く叩き、踵を返した。
灯里に対する態度は昔とあまり変わらないのに、その後ろ姿は思わず見惚れるほどカッコいい。
灯里はぼうっとしながらその後ろ姿を見送った……。