永遠の愛
「…えっ、葵?」
思わず驚いた声をだしてしまった。
それは葵に久々に会ったからじゃない。
私の家に何で居るの?って言う驚きの声でもない。
だって今、私に抱きついているのは昔の姿なんてどこにもない葵なんだから。
ギュっと首に絡まっている葵の腕を私は離す。
それに応えるかのように離していく葵は私と目が合った瞬間、蔓延の笑みを漏らした。
「会いたかったよ、美咲。ずっとずっと待ってたんだから」
「えっ?葵…なの?」
声は葵なのに…
でも。
「葵なの?って、何それ」
葵は少し頬を膨らませる。
「だって、長い髪どーしたの?」
真っ黒なサラサラした綺麗な髪はどこにもない。
バッサリと肩まで切られてて薄く茶色みがかかってる。
それに、あの時の子供っぽさなんて一つもなくて大人びてる。
これが5年経った現実?
「なんかうっとおしくなっちゃって」
髪をササっと撫でた葵は笑みを作る。
「へー…そうなんだ。似合ってる」
「美咲はもっと美人になってるね。大人っぽくなった!」
「さぁ、どうだろ。もういい歳だしね…」
そう言った私は苦笑いをした。