永遠の愛
「おかえり。…美咲」
不意に耳に入った声に視線を向けると、玄関の前に立つ懐かしいママの顔が目に飛び込む。
ママを見た瞬間、何でか知んないけど瞳が潤んだ。
「ただいま」
「元気そうで良かった。…翔くんもゴメンね、ありがとう」
「あ、いえ…」
お辞儀をするママの横からヒョイと小さな女の子の姿。
覗き込むように見つめる先には、葵とそっくりな女の子がピンクのワンピースを着て私を不思議そうにジッと見てた。
「…あ、こんにちは」
葵の隣に来た小さな女の子にそう言うとヒョイと身体を葵の後ろに隠す。
「香恋。…美咲おねぇちゃん」
クイっと香恋ちゃんを引っ張った葵からヒョイと顔を出したのは可愛らしい小さな顔。
ニコっと微笑む私に香恋ちゃんは不思議そうに私を見てた。
…可愛い。ほんとに可愛い。
小さな葵がいる。
「あのさ、私何も聞いてなかったんだけど」
香恋ちゃんから葵に視線を送ると、葵は苦笑い気味で香恋ちゃんの頭を何度か撫でた。
「だって美咲、連絡くれないし。いつもいつも忙しそうだったから…ごめん」
顔を顰めた葵は両手を合わせて目を瞑る。
「ま、別にいいけどさぁ。可愛いね、香恋ちゃんだっけ?葵がつけたの?」
「うん。そう」
そう言った葵はさっきとは打って変わってパアっと表情を明るくした。